セックスライフについて、世界の取り組み
■セックスライフについて、世界での取り組み その1
≪サンディエゴ・国際女性性機能学会にて≫

みなさんこんにちは、おひさしぶりです。 女性医療クリニック・LUNAの関口由紀です。 今月は、2008年2月にカリフォルニアのサンディエゴで行われた 国際女性性機能学会の話題を2回に分けて報告します。 この国際女性性機能学会という会ですが、 3日3晩かけて女性のセックスを 真面目に討論しあう学会です。 今回は女医2名で参加したのですが、 初めて参加したK医師は、
“なぜみんなこんなに真面目に セックスの話題を話し続けられるのだろう”
と2日目あたりから、やや食傷ぎみでした。 私は、前回は3年前に参加したのですが、 その時と比べての印象は、 アメリカ人は大変だなーということと、 研究はどんどんすすんでいるんだなーという2つでした。
■女性性機能障害とは?
以前にも書きましたように 女性性機能障害には大きく分けて
1)性的意欲障害
2)性的興奮障害
3)オルガズム障害
4)性行疼痛症
の4分類があるのですが
以前はこの4分類にほぼ当分に報告があったのです。 しかし今回圧倒的に報告が目立ったのは 1)性的意欲障害に関するものでした。
2日目の夜の懇親会の席上で、 学会会長に英語の堪能なK医師が 果敢に質問したところによりますと、 地位も名誉もお金も手に入れたアメリカの 男性エグゼクティブの最大の悩みは、 妻の性機能障害だとのことです。 50歳をすぎると女性の性的意欲が 低下していく傾向があるのは、 全世界的に認められた現象です。
日本でも売春は違法ですが、アメリカでは、 文化的・宗教的に、エグゼクティブが、 売春婦を買ったことがバレタ場合の社会的制裁は、 日本などとはくらべものにならないほど厳しいので、 社会的地位が高いカップルほど、 セックスする相手は配偶者に限られます。
妻が性機能障害に陥った場合、 男性エグゼクティブがセックスするためには、 高額な治療費も惜しげなく支払うそうです。 そして妻は愛する夫のために、 必死に治療するわけです。大変ですよね。
研究に関しては、骨盤底筋群のトレーニングが、 性機能を改善するということは 骨盤底体操を初めて提唱した ケーゲル先生が指摘しているのですが、 さらにこれを裏ずける報告がでていました。 また性的意欲を高める薬物療法が、 いくつか報告されておりました。 (次回に説明します。)
■長くセックスを楽しむためには
ところで女性性機能障害の リスクファクターがあります。 Claytonらによれば、
50歳以上である。 結婚している。 大学卒ではない。 フルタイムの仕事をしていない。 喫煙している。(1日6−20本)。 多量の抗うつ剤を飲んでいる。 多種類の薬を飲んでいる。 性機能障害を引き起こす病気にかかっている。 以前にうつ病の治療で、性機能障害になったことがある。 セックスを楽しんだ経験がない。 性機能を人生における重要ファクターと考えていない。
などが女性性機能障害の頻度を高める ファクターであるとのことです。 ところでどんな病気が 性機能障害を起こすかと申しますと、
糖尿病(潤滑障害)喫煙(全て)、 高血圧(潤滑障害とオルガズム障害)、 人工透析(膣の充血障害)、 腹圧性尿失禁(全て)、 精神疾患(オルガズム障害、性交疼痛症)
などが有名です。 また膣萎縮がすすむと性機能障害になるのですが、 そのリスクファクターとしてはCastelo-Brancoらが、
加齢、低女性ホルモン状態、 低男性ホルモン状態、2つ以上の病気を持っている、 多種類の薬を飲んでいる、生活が不規則である、 喫煙者である、セックスの回数が少ない、 経膣分娩をしていない等を挙げています。
こうしてみると喫煙は、女性性機能障害の 大きなリスクであることがわかります。 長くセックスを楽しむためには、 女性には禁煙が必要なようです。
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