ワキガ体質?これって腋臭?6つのチェックで今すぐ確認
2012.06.27
民族ごとのワキガ体質の比率
民族ごとのワキガ体質の比率は、いろいろな説がありますが、一般的には、黒人100%、欧米人70~90%、日本人10~15%、中国人3~5%くらいと言われています。この最も大きな要因は、食生活にあるようです。
肉類などの高カロリー、高脂肪食は、野菜や穀物食に比べ、皮脂腺やワキの下、おへその周り、性器などの周辺に分布するアポクリン腺を刺激し、その活動を活発にさせるといわれています。肉食を中心とする欧米人のアポクリン腺は、日本人などより活発に働いていて、より多くの腺組織が残存したものと考えられています。
一方、野菜や魚などの淡泊な食事をしている日本人や中国人は、逆に退化傾向が強く、体臭の少ない民族になったといえます。
ワキガ体質の比率が10対1と10対7とでは、心理的には重要な違いがおきます。自分のもち合わせた体質が10人に1人であるとして、それが他の9人に好まれるものであったとしたら、その人は優越感をもつでしょう。しかし、逆に嫌われるとすれば、それは劣等感になってしまいます。日本人の場合は、ワキガ体質の人が10人に1人程度しかいないからこそ、悩みの原因になるのです。
そして現代人は、ますますニオイに敏感になっているので、単なる汗のニオイをワキガと思い込んで悩む人は後を絶ちません。そこで、今回ここではワキガ体質かどうか簡単にチェックできるチェック項目をご紹介します。自分がワキガ体質かどうか、次の6つの項目に照らし合わせ、チェックしてみましょう。
ワキガ体質の自覚、チェックしてみましょう!

□ 耳垢が湿っている。特に溶けたキャラメル状である。
□ ワキ毛の量が多い、特に女性はワキ毛が太い。
□ 衣服や下着のワキ部分が黄ばむ。
□ 肉親にワキガ体質の人がいるか、または両親いずれかが耳アカが湿っている。
□ ワキ汗が多い。
□ 肉食中心の食生活をしている。
以上の6つの項目全てがあてはまる人は、ワキガ体質である可能性が濃厚です。実際にアポクリン腺がどれだけあるかは、病院で試験切開すればわかります。もしも、ワキガと診断されたとしても、簡単な手術で完全に治すことができます。疑わしい場合は専門医を受診されることをオススメします。
民族ごとでみると、動物性脂肪を多くとる食文化の国ほど、ワキガ体質が多いようです。比率としては日本人のワキガ体質は少ないほうですが、少ないからこそ、逆に目立ってしまうといえるのかもしれません。
一般にワキガのニオイは、女性では初潮のころから現れ始め、思春期を経てニオイが強まっていくのです。そして女性が妊娠したり、出産したりすると一時的にワキガ臭を放つことがあります。また、月経周期によっても、ワキガ臭は変化することあります。
現にクリニックでも、排卵期や生理直前に体臭が強くなったと訴える女性の患者さんも多いのです。そして、更年期を過ぎると、次第にワキガの悩みが減少する傾向なのも、性ホルモンとワキガの関連性を示していると言えます。ホルモンとワキガの関係は、 今後さらに研究が進められるべきであろうと思います。
本日の講師: 汗博士/医学博士 五味常明先生

1949年、長野県生まれ。
一ツ橋大学商学部、昭和大学医学部卒業。昭和大学形成外科等で形成外科学、および多摩病院精神科等で精神医学を専攻。
患者の心のケアを基本にしながら外科的手法を組み合わせる「心療外科」を新しい医学分野として提唱。ワキガ・体臭・多汗治療の現場で実践。ワキガの治療法として、患者が手術結果を確認できる「直視下剥離法(五味法)」を確立。
TVや雑誌でも活躍中。 99年からは、ケアマネージャー(介護支援専門員)として、デイケア事業や、高齢者介護の現場でのニオイのケアにも取り組む。
●主な著書
デオドラント革命(ハート出版)/岩盤浴の秘密(ハート出版)/汗をかけない人間は爬虫類化する(祥伝社)/やせるカラダに変わる本(交通タイムズ社)読むだけで汗が少なくなる本(講談社)ほか。
●おもな出演テレビ番組
おもいきりテレビ/はなまるマーケット/ザ・ワイド/ニュースステーションほか。