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連続官能小説『三日月の夜、星になりたい』第9話~ベッドは戦いの場~

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2018.12.13

整体師にマッサージされる女性

「よくご存知ですね。柔道もしてましたけどこの体型には向いてなかったようで、怪我の連続でした。だから整体師に」

明るいラウンジで紅茶を飲みながら、美知留は自分のことを飾らずにひとつずつ整理してしゃべる。仕事はワクワク感がなく、ただ簡単な事務仕事をこなしているだけで、向上心が湧かないこと。時々、つまんない人生だなと思うこと。自分には夢中になれる仕事も趣味もないこと。

結婚を前提に付き合うのだから、盛る必要はないと思っている。気に入られなければ次を紹介してもらう。気持ちが楽だった。由井は叱るような声で言う。

やりがいのない仕事なんて続ける意味がありますか。それなら転職したほうがいい。僕は充実してます。患者さんたちが身体の不調を克服して喜んでくれるから。とても意義がある仕事だと思ってやってます」

美知留はちょっとイラっとした。自分に適した仕事が見つかったことを自慢された気がした。美知留だってやりがいがある仕事をしたいけれどどうすればいいのかわからないのだ。

「あの・・お説教はいりません。私は一緒にいて心地いい相手を探しているんです。私を不安にさせない大人のかた。説教されるのは苦手です」

由井が首をかしげる。

「心地いいとは?話が合うということ?」

「そうです。話も。身体の相性も

「驚いたな。初回からそんなきわどい話が飛び出すとは・・」

「欲望を隠してもどうせバレます。システマティックな出会いだからこそ、最初から本音を言ってます。取り繕わないで話してます。時間を無駄にしたくないでしょ。お互い、忙しいんだし」

3度の黒歴史が美知留をこんなふうに変えてしまった。恥ずかしがり屋のおとなしめの美知留は今はいない。

由井は背筋をピンと伸ばして視線をティーカップに落とし、額を掻いた。館内にうっすら流れるクラッシック音楽が際立つ。

「了解。」

あなたが来た瞬間、いい匂いがしてムラっとしました。手間をかけずに確認したいんですね。では部屋を取りましょう」

「ベッド専用香水」の香りが由井の心に火をつけた。紹介所の規約に「最初に会った日にセックスしてはいけません」とは記していない。美知留は会釈した。凪とのことのショックが大きく、投げやりになっているかもしれない。自虐的になっている。由井の顔をまっすぐ見る。凪とはまったく違う。生きてきた年月が違うせいか、仕事の内容がそうさせるのか。大丈夫。昨夜も「ジャムウ・ハーバルソープ」で、臭いや黒ずみの元は洗い流してある。

由井が部屋を予約して先に行っていると告げる。美知留は少しあとから部屋に向かう。

部屋はすでに暗かった。ロビー階の明るいラウンジとは打って変わって、ベッドが二つ並んだ部屋はいかにもというやらしさだった。遮光カーテンで外界の光は遮られ、サイドテーブルの上にあるスタンドのほのかな灯りが夜を作り上げていた

「こんな時間でも、部屋が暗いと夜みたいに感じるんですね」

美知留が上着を脱ぎながらぶっきらぼうに告げる。

「下着になってうつ伏せに寝てください」

「え?」

「まず美知留さんのカラダをほぐしてあげましょう。見た感じ、デスクワークのやりすぎで肩甲骨がこわばっている、首のこりもひどい。目も酷使してるでしょう」

「そうか。整体院の院長ですもんね」

ブラジャーとパンティ姿になり、仄暗いベッドの上にうつ伏せになる。ベッドは美知留にとってはいつも戦いの場だ。今まで必ず敗北してきた。由井はジャケットとワイシャツだけ脱いでズボンのまま美知留にまたがる。

由井の厚みがある手のひらが腰の上で大きな円を描く。じんわりあたたかく、骨の周りのこわばりが取れてくる。撫でながらコリを探し出し、的確に親指をコリに押し入れる。

固くなった肉塊がまるで口に入れたキャラメルのようにチュルリと溶ける。腰から尻山に手の平が移動する。仙骨に小指が触れる。仙骨を小指がまさぐる。お城のあたりがキュっと反応し始める。

お城の周りの花畑にある花芯がビクリと震える。由井の手がパンティをゆっくり下ろす。あらがわない。試すためにベッドに乗ったのだ。

閉じていた太ももを少し開く。お城にお客さまをお通しするよう誰かに命令されたような感覚。

由井の小指が入り口をトントンと叩く。

整体師にマッサージされる女性

いきなり身体の奥の蛇口がゆるみ、ヒタヒタと湿りを帯びてくる。

ネットリしたあたたかい蜜が廊下に這い出る。こんもりしたヘアが湿りを帯びてクチャリとする。

「ああ・・そこ・・ん・・」

すべての塊をほぐしながら、廊下に押し入る由井の指の動きは今までの誰とも違っていた。

整体師の特権か、気持ちいいツボはすべて把握している。美知留は指だけで、はじめてブランコから放り出されるような感覚を経験した。

(つづく)

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●イラスト:フジワラアイ

ジャムウLP

ムーンライトノベルズ小説コンテスト

▼ライター:三松真由美さんプロフィール

三松真由美さん

恋人・夫婦仲相談所所長、通称すずね所長・コラムニスト

元主婦マーケティングの会社経営。
夫婦仲に悩む女性会員1万2千名を集め「ニッポンの結婚・夫婦仲」を真剣に考えるコミュニティを展開中。「ED」「セックスレス」「アンチエイジング」「再婚」「若い世代のエッチ」などのテーマを幅広く考察。

マスコミ取材も多く、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして着実に歩んでいる。日本性科学会会員。ED診療ガイドライン制作委員。著書「新・抱かない男の見分け方」(スターツ出版)他多数。

▼三松真由美さんのサイトはこちら

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